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2017年3月28日 (火)

「安倍晋三記念小学校」をめぐる首相閣下vs辻元清美先生対決

 

 いわゆる「安倍晋三記念小学校」をめぐる盛り上がりの中で、ネット上では(メディアが取り上げようとしない)民進党の辻元清美議員の「疑惑」でも盛り上がっているようである。

 そんな「盛り上がり」を横目で見ていたら、

 

  安倍晋三首相は28日の参院決算委員会で、学校法人「森友学園」の問題に関連し、籠池泰典氏の妻が首相の昭恵夫人に送っていたメールに名前が登場した、民進党の辻元清美衆院議員に言及した。
  民進党の斉藤嘉隆議員が、籠池氏が夫人を通じて100万円を寄付されたと主張していることに触れ、首相サイドが授受を否定している根拠をただし、「否定するなら根拠を示さなければならない」と指摘。
  これに対し、首相は辻元氏が公の場で説明していないことを念頭に、「御党の辻元議員との間にも、同じことが起きている。今日の新聞に『3つの疑惑』と出ていましたね」と、不機嫌そうに言い放った。
  「いっしょにするな」とやじが飛ぶと、首相は「いっしょにするなというが、辻元議員は真っ向から否定している。これも証明しないといけない」と指摘。辻元氏への説明を求めた。
     (日刊スポーツ 2017/03/28 12:56)

 

このような記事に遭遇してしまった。

 

 ここに「3つの疑惑」とあるのは、

 

  学校法人「森友学園」(大阪市)の国有地払い下げ問題をめぐり、民進党の辻元清美元国土交通副大臣に関する「3つの疑惑」が新たな争点に浮上し、日本維新の会などが追及姿勢を示している。学園の籠池泰典氏の妻、諄子(じゅんこ)氏が、安倍晋三首相の昭恵夫人とのメールのやりとりで、辻元氏に複数回言及したからだ。民進党は誤った内容だとメディアに情報を広めないよう「忖度(そんたく)」を求めるが、籠池氏の発言に依拠して首相らを追及しながら、都合の悪い妻の言葉は封じようとする矛盾に陥っている。(水内茂幸)
  ≪1≫幼稚園侵入
 「辻元清美議員のやらせ、を明らかにしていきます」。維新の足立康史衆院議員は25日、自身のツイッターでこう表明した。
  1つ目の疑惑は、1日の諄子氏のメールにある辻元氏が「幼稚園に侵入しかけ 私達(わたしたち)を怒らせようとしました」(原文ママ)と記載された部分だ。
  民進党役員室は24日発表の見解で「そのようなことは一切なく同議員は塚本幼稚園の敷地近くにも接近していない」と否定した。
  辻元氏は2月28日、民進党視察団のメンバーとして豊中市の小学校建設予定地などを視察。辻元氏は21日の党視察団にも参加したが、同日の視察団は大阪市の塚本幼稚園を訪れ、籠池氏に面会を断られている。
  ≪2≫作業員派遣
  2つ目の疑惑も、3月1日の諄子氏のメールに記された辻元氏が作業員を、小学校建設現場に「送り込んだ」というものだ。
  メールには「嘘の証言した男は辻元と仲良しの関西生コン(※連帯ユニオン関西地区生コン支部とみられる)の人間でしたさしむけたようです」「孫請業者の作業員がその委託社長がしてないといったのにもかかわらずその三日だけきた作業員が辻元清美が潜らせた関西なんとか連合に入っている人間らしいです」(原文ママ)とある。
  辻元氏が代表を務めた政党支部「民主党大阪府第10総支部」の平成26、27両年分の政治資金収支報告書によると「大阪兵庫生コン経営者会」からそれぞれ献金を受けた。ただ、民進党関係者は「諄子氏が指摘したであろう作業員は辻元氏と面識はない」と述べる。野田佳彦幹事長は今月27日の会見で「(諄子氏らが)根も葉もないことを根拠にやりとりした」と否定した。
  ≪3≫14億値引き
  第3の疑惑は、学園の小学校建設地に隣接する「野田中央公園」についてだ。
  同公園はもともと国有地。平成22年10月12日の豊中市議会での市側説明によると、国との契約金額は14億2386万3000円。これが計14億262万円の国庫補助金などを得て、最終的に市の負担は2124万3000円で済んだ。
  市に交付された国庫補助金は、リーマン・ショックの経済対策目的などで、麻生太郎内閣が平成21年度補正予算で決めたものだ。ただ、辻元氏は21年9月から22年5月まで民主党政権で国交副大臣を務めたこともあり、同年10月の豊中市議会では質問者から「政権が代わったからこうなったのか」などの指摘も出た。
     (産経新聞 2017/03/28 07:55)

 

この産経新聞記事に示されたものを指すのであろう。

 

 しかし、だ。特にネット上で盛り上がっているのは、産経新聞により「第3の疑惑」として提示されている「野田中央公園」への「補助金」をめぐるものだが、これ、記事をちゃんと読めば、

  市に交付された国庫補助金は、リーマン・ショックの経済対策目的などで、麻生太郎内閣が平成21年度補正予算で決めたもの

このように、麻生太郎内閣時代の決定事項であることが明記されている。つまり、明らかに、「第3の疑惑」なるものと辻元清美議員は無関係だということが理解出来るはずだ(「国庫補助金」の決定が「疑惑」だというなら、それは辻元議員をめぐる「疑惑」なんかではなく、麻生政権にまつわる「疑惑」なのである―まさかそう主張したいわけでもあるまいが)。ま、ネット上の「盛り上がり」なんてのはその程度のものだろうが、安倍晋三首相閣下までが真に受けてしまうのはどうかと思う(維新の足立康史議員も)。

 

 

 で、残るのは二つの「疑惑」だが、「第1の疑惑」なるものについては、「辻元氏は2月28日、民進党視察団のメンバーとして豊中市の小学校建設予定地などを視察。辻元氏は21日の党視察団にも参加したが、同日の視察団は大阪市の塚本幼稚園を訪れ、籠池氏に面会を断られている」というどちらの「視察」の際もメディアの取り巻く中の行動なので、辻元議員が「幼稚園に侵入しかけ」た事実があるのであれば、その時点でメディアの知るところとなっているはずである。で、ここで産経新聞に対する「疑惑」が浮上する。実は取材に行っていなかったんでしょ? 取材に行っていなかったことは許すとしても、報道陣の前での「視察」であったわけだから、「幼稚園に侵入しかけ」たのが事実であれば(悔しいだろうが報道関係者に取材し)「裏を取る」くらいのことはして欲しい、とは思う(もし取材に行っていたのであれば、事実として記者は目撃していたはずであり、その事実を記事の形で明らかにするべきである)。

 

 この二つの「疑惑」については、

 

  「幼稚園侵入」については、保守派を名乗る人の2月28日のブログが導火線らしい。証拠は示されていないが、辻元氏が森友学園運営の幼稚園に勝手に入ろうとしたなどと断言し、そのことを糾弾していた。この日は、辻元氏は、民進党調査チームのメンバーとして現地を視察していた。
  ツイッターでも、同様な情報が流れ、辻元氏は、3月1日のブログで事実無根だと反論した。視察のときは、調査チームの車の周囲を出ておらず、各メディアもそのことを知っているというのだ。
  籠池理事長も証拠を示さずに9日にユーチューブ動画で同様な発言をし、このときも、辻元氏はブログで反論した。さらに、籠池夫人が前出のメールで指摘すると、民進党は同じ24日、マスコミあてのファックスなどで「幼稚園侵入」についてはウソだと訴えた。また、「嘘の証言した男」についても、「(敷地内に埋められたゴミを扱った)作業員を下請け業者に送り込んだとされていますが、これも全くの事実無根です」(カッコ内は編集部記入)と主張している。これは、ネット上の噂を籠池夫人が信じたためではないかという。
     (J-CASTニュース 2017/03/27 20:05)

 

このようにも報じられ、この中では「第2の疑惑」について、

 

  また、「嘘の証言した男」についても、「(敷地内に埋められたゴミを扱った)作業員を下請け業者に送り込んだとされていますが、これも全くの事実無根です」(カッコ内は編集部記入)と主張している。

 

このように説明されている。この「嘘の証言した男」とは、

 

  森友学園の小学校用地として売却された大阪府豊中市の国有地を巡る問題で、地下のごみ処理に関わったという関西地方の土木業の男性が24日、毎日新聞の取材に応じた。建設用地には生活ごみなどが混じった土が山積みになっていたといい、男性は「敷地内に穴を掘り、その土を埋めた」と証言した。
  この証言は国会審議で取り上げられ、国側は産業廃棄物として撤去費を見積もったと明らかにした。
  男性は昨年11月、知り合いの業者に紹介され、建設現場に出入りするようになった。校舎は既に建ちつつあり、敷地南側に約2000立方メートルの土が山積みで、空になったしょうゆやマヨネーズの容器、靴、衣類などが混じっていた。発注元の業者からの指示で、周囲の地面を2~3メートル掘っては土を埋める作業を繰り返したという。
     (毎日新聞 2017/02/24 23:30)

 

この記事にある「関西地方の土木業の男性」のことだと思われるが、そもそもこれが「嘘の証言」と位置付けられ得るものであるのかどうかが疑わしい。

 この件に関して森友学園側は、

 

  学校法人「森友学園」(大阪市淀川区)が小学校用地として大阪府豊中市の国有地を鑑定額より安く取得した問題について、法人は、4月開校予定の小学校のホームページ(HP)に反論を掲載した。工事に関わった土木業者が「建設現場から掘り出したごみの一部を敷地内に埋めた」とする証言に対し、ごみを含む土は「仮置き」状態だとし、今後分別して処理する考えを示した。

  26日付で掲載された。法人は、施工業者に確認した内容として「工事の手順、工事用地の確保の観点から、グラウンド東側に仮置きしていた産廃土(産業廃棄物の交じった土)の一部を移動させる必要が生じた」と経緯を説明。「仮置きしている産廃土の地下を掘削し、一部の産廃土を縦積みにする形で仮置きした」とし、埋め戻しによる隠蔽(いんぺい)を否定した。また、工事の経過表も公表し、28日ごろから、ごみと土に分別し、分別できないものは産廃として搬出する考えを示した。
  工事に関わった土木業者はこれまでの毎日新聞の取材に、「発注元の業者の指示で敷地内に穴を掘り、ごみが交じった土を埋めた」などと証言している。
     (毎日新聞 2017/02/27 11:13)

 

このように「説明」していたのである。

 「仮置きしている産廃土の地下を掘削し、一部の産廃土を縦積みにする形で仮置きした」ものだと主張する以上、「発注元の業者からの指示で、周囲の地面を2~3メートル掘っては土を埋める作業を繰り返した」との「関西地方の土木業の男性」の証言を「嘘の証言」と言い切ることは難しい(「男性は昨年11月、知り合いの業者に紹介され、建設現場に出入りするようになった」のであって、森友学園の問題が注目される以前の話である以上、時系列からして辻元議員が「作業員を下請け業者に送り込んだ」とは考えにくい―建設現場への出入りの時期も「嘘の証言」だと主張されるのかも知れないが、密室での二人だけの出来事とは違い、取材により検証可能な問題に過ぎない)。

 そもそも、その後の経過では、

 

  敷地には今も土砂が山積みで、豊中市によると、その傍らには廃棄物も積み上がったまま。市が聞き取った施工業者の話によると、土砂と廃棄物をふるい分け、土砂は3日から順次、残土処理場に運び出している。
  問題は廃棄物だ。コンクリート片から生活雑品まである。市の担当者は「目視なので厳密ではないが、全体の9割が土砂、1割が廃棄物ではないか」。廃棄物を搬出する業者は見つかっておらず、7日以降も未定という。
  一連の廃棄物の搬出を巡り、大阪府私学課は学園に作業予定を照会したが、学園側の代理人弁護士は6日、メールで「15日までに搬出を終え、16日から新しい土を持ちこんで埋める」と回答した。しかし府は「業者名も明記されず、細かい工程も書かれていない。計画書として不完全」として再提出を求めた。
     (毎日新聞 2017/03/06 23:57)

 

これでは、3月の初めの時点になっても廃棄物の搬出・処理業者との契約さえ存在せず、そもそも「廃棄物」の「搬出」による処理の計画自体が存在しなかった疑い(工事日程に組まれていなかったように見える)の方が濃い。「今後分別して処理する」つもりなど最初からなかったからこそ、「廃棄物を搬出する業者は見つかっておらず、7日以降も未定」となったのだと疑われて当然な経緯である。

 

 

 

 別に辻元清美議員には何の義理もないが、この件に関しては、「疑惑」の存在そのものが疑わしいと私は見る。

 

 ネット上の皆様は別としても、産経新聞にも安倍首相閣下にも足立先生にも、もう少ししっかりして欲しい、とは思う。

 

 

 

 

 

(オリジナルは、投稿日時 : 2017/03/28 17:39 → http://www.freeml.com/bl/316274/300901/

 

 

 

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