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2013年6月25日 (火)

『リオフクシマ』を(やっと)観る

 

 先日というか先月というか、「メイシネマ祭’13」の二日目に上映されたものの見逃した岡村淳監督の『リオフクシマ』を(やっと)観た。

 

 

 

 パートナーは「メイシネマ祭」の時に観ていて、帰って来るなり誉めちぎるのを聞かされたのであった。パートナーは上映後の観客と監督、映画祭主催者が一緒になった飲み会にも参加していて(当日上映された『タケヤネの里』の青原監督は以前からの友人で、前日の『相馬看花』の松林監督も娘を通しての顔見知り)、あらためて岡村監督とも意気投合してしまったらしい。

 で、そんなわけで、今回(6月23日)の上映には私と娘も参加。岡村監督の待つ、西荻窪のブラジル料理店に向かったのであった。

 

 

 
 
 
 
 「メイシネマ祭」のチラシでは、

 

  ’12年6月リオデジャネイロで行われた国連の環境会議 日本政府が隠ぺいと矮小化を図る福島原発事故の問題を訴える市民グループを追う。岡村監督注目の新作。

 

…という紹介の仕方をされていたのだが、この紹介文を読んで多くの人が期待するであろう内容の作品ではない。

 主題を福島原発事故における日本政府の対応の告発と想定すると、その期待は見事に裏切られる。その裏切られ方を絶賛(?)していた一人がわがパートナー、ということになるし、私もその一員に加わることに躊躇しない。

 とは言うものの、紹介文に書かれたことが誤りを伝えているわけでもない。しかし、より正確に表現するならば、

 

  ’12年6月リオデジャネイロで行われた国連の環境会議 日本政府が隠ぺいと矮小化を図る福島原発事故の問題を訴える様々な日本の市民グループが会場で自ら作り出した混乱と、それでもその向こうに見える希望を追う。岡村監督の最新作。

 

…とでも書くべきであろうか?

 

 

 
 
 環境会議のためにリオデジャネイロを訪れた福島で有機農法を実践してきた農家(現在は除染の可能性に取り組んでいる)と、ブラジルの放射線被ばく被害者(ゴイアニアでの医療用放射性廃棄物被曝の当事者)を引き合わせての記者会見の席として設定されていたらしい場に、次々と日本からの環境会議参加者が自身の発言を求めて押しかける。本来その場で語られるべき福島の農家の原発事故体験と除染の実践の具体的報告のための貴重な時間は、後からやって来た人々の自己アピールの時間のために削られてしまう。

 どこにも悪意など存在しないのだが、しかし、善意と善行は全くの別物なのである。あふれる善意の中に、しかし、あふれるのは善意だけであって、自己満足以外の具体的成果を生み出すことはない。

 そのような実に困った話が、その場に立ち会う破目に陥った岡村監督によって丁寧に記録されているのであった(註:1)。

 

 
…などと書くと、何やら21世紀の現実の絶望的な話という印象を受けてしまうかも知れないが、しかしそこには様々な出会いもあり、その出会いの中からはどーしよーもない現実の中にある希望も垣間見えたりもするのである(それには、映像の中に登場する人々との出会いだけでなく、上映会場での岡村監督との出会い、わざわざ会場へやって来た他の観客との出会いも含まれる、と考えてよい―今回の会場では、ブラジルの酒との美味しい出会いというおまけもあったし)。

 

 

 

【註:1】
 話が話なので、このドキュメンタリー作品に関しては、被写体となった人たちへの無用な誤解のないように必ず岡村監督自身が上映に立ち会い、観客の質疑応答に応じるというスタイルをとっているのだが、岡村監督はブラジル在住であって、つまり観客として上映に接する機会は貴重である。

 

 

 

 

(オリジナルは)、投稿日時 : 2013/06/23 21:29 → http://www.freeml.com/bl/316274/204831/

 

 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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