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2009年12月22日 (火)

緊急拡散!! 美しい日本語の危機

 

 「緊急拡散」という日本語があるらしい。

 

 私の生きて来た経験による限り、これまでの(古くからの、あるいは伝統的な)日本語の語彙にはない漢字熟語の用法であると思われる。「緊急」と「拡散」という、それぞれに日常語として見慣れた熟語を組み合わせることにより生み出された新しい四文字熟語、それも21世紀になっての、かなり新しい四文字熟語であろう。私自身、つい最近、知ったのである。

 

 

 私自身は、言語に関する規範的保守主義者ではないので、時代の進展に伴う言葉の変容については寛容な方だと思っている。要するに、「かつて美しい日本語があった」とか、「今の日本語は乱れている」だとかいう議論はバカバカしいと考える立場だ。まず、そのことをお断りしておく。

 

 

 

 で、今後の参考のためにと思い、「緊急拡散」という熟語を、グーグルで検索してみたのであった。

 

 検索の第一位に登場したのが、これ ↓ である。

 

日本が好きな人のブログ | 29日緊急拡散【日テレを調査検証】 (水間政憲)

29日緊急拡散【日テレを調査検証】 (水間政憲) 2008-11-29 04:59:43 現在、日本のマスメディアは、国民が安全保障等国際的水準に覚醒することを、検閲しているのが現状です。それを調査検証する手段がありませんでした。そこで提案します。 ...

 

 

 

 何じゃ、この日本語は??

…と、言語に関する規範的保守主義者でないはずの私は呻くのであった。

 

 「緊急拡散」という語の使用法を観察することによって、その語にどのような意味が与えられているのかを把握すること。それが本来の目的だったのだが、私の目は、グーグルの概要にある、

  現在、日本のマスメディアは、国民が安全保障等国際的水準に覚醒することを、検閲しているのが現状です。

という一文に釘付けとなってしまったのである。

 

 ここに発見出来るのは、すべてにおいて実に新しい漢字熟語の用法ではなかろうか?

 

 伝統的な(というほどのこともないと思うが、ごく最近までの)日本語の用法では、「検閲」という語は、政治権力の側がメディアの表現に対し行使するものであって、マスメディアが「検閲」をするというのは、大変に新しい用法に思える。

 しかも、ここでは、「検閲」の対象とされているのは「国民が…覚醒すること」となっている。

 「伝統的」な用法では、政治権力の側がメディアの「表現」を、あるいは「表現されたもの」を「検閲」することにより、(自らにとって都合の悪い)特定の事実や思考法の広汎な普及を阻止するのが、「検閲」の目的である。

 いずれにしても、「国民が覚醒すること」を「検閲」するというのは、語の用法として妥当ではないだろう。「検閲」により、「国民が覚醒すること」を「妨げる」のである。

 

 日本語の伝統を重視するタイプの人々ならば、「今の日本語は乱れている」という主張の格好の事例として取り上げるに違いないように思われる。

 

 この一文は、「美しい日本語」がお好きな方々であれば、

  現在、日本のマスメディアは、…(中略)…、妨害しているのが現状です。

…と表現することを選ぶであろうし、出来ることならば、

  現在、日本のマスメディアが、…(中略)…、妨害しているという現状があります。

…と表現しようとするだろう(と思う)。

 

 同時に、

  国民が安全保障等国際的水準に覚醒することを

…という表現の舌足らずさにも文句をつけるに違いない。

 文意を忖度した上で、書き直すなら、

  国民が安全保障等の意識に関して国際的水準に到達することを

…となるのではないだろうか?

 少なくとも、

  安全保障等国際的水準への国民意識の覚醒を

…と書くべきものに思える。

 

 

 

 

 筆者の水間政憲氏は、聞くところによれば、日頃から、日本の伝統文化の危機を訴え、伝統文化の尊重を訴えているジャーナリストだという。

 その水間政憲氏にして、この文章である。

 確かに、日本の伝統文化は、日本語の表現という次元で、危機的状況にあるようである。

 

 言語に関する規範的保守主義者ではない私でさえ、ジャーナリスト(!)としての水間氏の日本語表現能力には危惧の念を抱いてしまう、というのが正直なところなのだから…

 

 

 

〔追記〕

 「緊急拡散」ていうのは、要するに、件の水間氏の文章をコピペして、ネット上にばらまけ!! …ってことらしい。

 しかし、私には、日本の伝統文化を大事にしろと言いながら、あのような拙い(と言わざるを得ない)日本語文を、ネット上に氾濫させて平気な神経が理解出来ない(それを求める当人の神経、そしてその指示に従う人々の神経も)。

 水間氏って、ホントは日本語の破壊、そしてそれを通しての日本人の精神生活の破壊という使命を帯びた、某国(どこだかわからないけど)の工作員じゃないのだろうか? …とまでは言わないにしても、しかし、真っ当な教育を受けたネイティブ・ジャパニーズの書く日本語とも思えないのである(しかも、ジャーナリスト!)。

 「日本が好きな人のブログ」がカタコトの日本語で書かれているという不思議、なわけだ。もっとも、水間氏に「国語」を教えた教師が「日教組」のメンバーだったことが、あのような低レベルの(カタコトの)日本語の記述能力の原因なのだと主張されたりすることになるのだろうか?

〔追記の追記〕

 思うに、日本語のネイティブ・スピーカーの語感では、「拡散」の結果として予想されることは「中身が薄まること」、なんじゃないだろうか? …なんて考えると、ますます用語としての適切性が問われる気がする。まぁ、もともと中身の薄い話をもっと薄くしましょうという決意の現われを見出すべきなのだ、ということであるのかも知れないが…

 

 

 

 

 

(オリジナルは、投稿日時 : 2009/12/21 23:32 → http://www.freeml.com/ep.umzx/grid/Blog/node/BlogEntryFront/user_id/316274/blog_id/125384

 

 

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