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2009年5月 1日 (金)

神の国の戦争

 

 「広島」の「リトル・ボーイ」「長崎」の「ファットマン」どちらも

 侮蔑と皮肉と悪意に満ちた「ジェノサイド」の話になるが耐え難いか。

 少なくとも「現場」に居合わせた人々にとっては、許せぬ冗談だろう。

 要するに「チビ」と「デブ」と云う米国流ジョークを、ジョークに

 させ難い空気があるんだろう。井伏鱒二の小説「黒い雨」がそれだ。

 そんな事を許した「神」への「怨嗟の声」が、延々と語り継がれる。

http://www.freeml.com/ep.umzx/grid/Blog/node/BlogEntryFront/user_id/316274/blog_id/102657 「Comment 20」及び「Comment 21」参照)

 

…という言葉を読んで、そう言えば、この日本は「神国」だった、「神の国」だったんだ、ということを思い起こさせられた。

 

 そこから「神の国の軍隊」という一文(http://uma-sica.cocolog-nifty.com/blog/2009/05/post-45c4.html)が生まれた。

 

 神の国の神にとって、リトル・ボーイとファット・マンはどのような存在なのだろうか?というようなことを考える。

 

 神の国の神は、リトル・ボーイやファット・マンを望んだのか望まなかったのか?

 

 そんなことを考えてみようと書き始めたのが「神の国の軍隊」であった。明らかになったことは、リトル・ボーイやファット・マンによる殺戮を経験する以前に、大日本帝國の軍事・政治指導者が、若い兵士に自殺攻撃を求めていたという事実であった。

 神の国の神は、そのような大日本帝國の軍事・政治指導者達の行為を容認するのであろうか?

 

 

 

 日本が神国であるのは、北畠親房によれば、

大日本国は神国なり。天祖はじめて基をひらき、日神ながく統を伝へ給ふ。我国のみこの事あり。異朝にはそのたぐひなし。このゆえに神国と云ふなり。
 

からであった。ここでは、天皇の存在が、「神国」を支えているのである。

 

 

 あの大東亜戦争では、まさに、その天皇の存在が脅かされてしまったのである。敗戦必至となった戦局の悪化が意味するところは、敗戦後の天皇の地位の危機、、日本における天皇という存在の危機であった。つまり、日本が「神国」であることの危機であった、ということになる。

 大東亜共栄圏の確立という名分で始められた戦争は、米英軍による反攻の結果、戦争当初の占領地域の喪失の果てに、開戦前の国境線まで侵される事態に至ってしまう。本土空襲が日常化し、硫黄島、そして沖縄に米軍が上陸する。

 戦争の継続目的から、大東亜共栄圏の確立という名分が失われてしまって久しかったのが、昭和20年の春という段階であった(あの阿南陸相による「決戦訓」は、そのような状況下で書かれたものだ)。

 戦争の継続目的は、「国体の護持」、すなわち敗戦後の天皇の地位の保証の確保に収斂していくことになる。

 

 大日本帝國の敗戦は、帝國政府の「ポツダム宣言の受諾」により確定したわけだが、その決定は、連合国による「国体の護持の保障」への期待の上に成立したものであった。

 

 「国体の護持の保障の確保」のために、戦争終結の決断を先延ばしにしていく過程で自殺攻撃を強いられた(志願制というタテマエではあったが)のが、陸海軍特別攻撃隊の隊員達であった。

 神国の神は、そのような犠牲を望んでいたのだろうか?

 そもそも、大東亜戦争は、神国の神の望むものであったのだろうか?

 

 

 

 神国の神が大東亜戦争を望み、特別攻撃隊の犠牲を求めていたのだとすれば、リトル・ボーイやファット・マンに至る歴史も、神は自ら招いたこととして受け入れる(そして反省する)はずである。「自己責任」とは、そのようなことなのである。

 

 しかし、大東亜戦争が神国の神の望むところでなかったとすればどうだろうか?

 特別攻撃隊員の犠牲や、かつて地上になかった惨状の中で失われた広島・長崎市民の命に対し、その責任を負うべき者は誰なのだろうか?

 

 

 

 

 

 

(オリジナルは、投稿日時 2009/05/01 22:37 → http://www.freeml.com/ep.umzx/grid/Blog/node/BlogEntryFront/user_id/316274/blog_id/102842

 

 

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投稿: 田中 | 2009年5月 2日 (土) 08時20分

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