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2008年11月26日 (水)

東京大空襲・戦災資料センター 鈴木賢士写真展「東京大空襲の生き証人」

 

 

 「東京大空襲・戦災資料センター」は、台東区北砂1丁目にあった。

 「東京大空襲の生き証人 鈴木賢士写真展」のギャラリートークの日ということで、急遽、出かけることにした。家族全員出動である。


 チラシの地図もよく確認せず(提案者がやわらかああひる―つまり、我がパートナーである―だったので、おまかせ)、錦糸町の駅で降り、タクシーに乗る。
 しかし、運転手さんも場所を知らない。チラシの地図を頼りになんとかたどり着く。ここの前はいつも通っていた、という運転手さん。確かに建物も新しいので、地元知名度もまだなのかも知れない。

 入館し、一服してから、二階でのギャラリートークが始まるまで三階の展示を観る。
 投下された焼夷弾の実物を始めとした62年前を伝える展示物をざっと観る。

 時間になったので、二階へ。今日は、ここの「友の会」の総会も兼ね、満員の会場だった。

 鈴木賢士さんの撮影による、東京大空襲の被災地の現状写真や、被災者の現在の姿を写したモノクロのスライドを、鈴木さんの解説と共に観る。
 続いて、(総会の行事なので)最近の集まりのビデオ上映があり、その後で、鈴木さんの案内で、会場めぐりをする。被写体となった方も会場にいらっしゃり、お話も伺う。

 次に三階の展示を、学芸員さんの案内で観る。今回、新たな展示物が加わったということで、その解説を中心に62年前に残された品々を観た。
 会場の参加者には、実際の体験者が多いので、所々で、学芸員さんに、その表現は足らないとか、そこはこうだとか、注文(?)も付く。しかし、それは、新たな歴史証言でもあり、体験者ならではのものだ。以前の青原さんの広島のドキュメント上映会場と同様だろう。事実はまだまだ眠っているということでもある。

 再び、総会の続きということなので、会員ではない私達は、そこでおいとまをする。
 その時に、この日記用に、撮影した画像の使用許可を願い、快諾をいただいた。ついでに、この「東京大空襲・戦災資料センター」のことを伺い、すべてが民間の志で出来上がったことを聞く。行政はノータッチ。資金のすべてはカンパであり、総会をしていたのは、その資金提供に応じた人々だったのだ。



 ここに集まった人々は、今年3月の「東京大空襲 謝罪及び損害賠償請求裁判」の関係者でもあった。

 会場で伺った話や、購入した資料を読み合わせてみると、「訴訟」は、もう30年以上の様々な活動の末の出来事だということが理解出来る。

 スライドでも紹介されていた清岡美知子さんのエピソードが、問題の所在を物語っている。
 
1965年8月15日。全国戦没者追悼式に招かれ、武道館へ母と出席。軍人遺族代表の「息子は戦死したが、手厚い援護を受けて、この国に生まれた幸福を感じている」との発言を聞いて、煮えくり返る思い、以後出席したくないと慰霊協会に連絡
 
というのが、その日記の一節である。
 「軍人遺族への手厚い援護と比較して、民間被災者には何の補償もないことへの怒りが、ひしひしと伝わります」と、鈴木さんはその著書でコメントしている。

 民間人としての戦災被害に対する補償はないのである、この国では。


 ところで、提訴時に、どこかのブログで、なぜアメリカを訴えずに日本政府を訴えるのかという疑問が書かれているのを読んだことがあった。
 資料として購入した「訴状」にはちゃんとその理由も書かれていた。

 「外交保護義務違反」行為を日本政府がしているからだ、というのがその理由であった。
 つまり、国際法(ハーグ陸戦条約第3条)上は、原告はアメリカ政府に対する請求権を持っている。
 しかし、1951年の「対日平和条約」第19条において、

 
日本国は、戦争から生じ、又は、戦争状態が存在したためにとられた行動から生じた連合国及びその国民に対する
日本国及びその国民のすべての請求権を放棄し…
  
…ているのである。原告は、アメリカ政府に対する請求権を、日本政府がアメリカ政府と結んだ条約により否定されていたのである。よって、訴訟の対象は、日本政府とならざるを得ない、わけだ。


            ― 続く―

 

 

 

(オリジナルは、投稿日時:2007/07/29 23:59 → http://www.freeml.com/ep.umzx/grid/Blog/node/BlogEntryFront/blog_id/36869/user_id/316274

 

 

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