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2008年11月25日 (火)

現代史のトラウマ、番外編 『六ヶ所村ラプソディー』観てきましたフツー日記 その1

 

 昨日、広島県在住の友人より、封書が届きました。開けてみると、

 ……突然ですが、10月7日より東中野のポレポレ東中野で上映されている、鎌仲ひとみ監督の「六ヶ所村ラプソディー」のチケット(精算済み)を送らせていただきます。どこからか圧力がかかっているらしく、マスコミがまったく反応せず、前売り券がかなり余っている(鎌仲さんのメールより)とのことなので、私も少し引き受けさせていただいています。……

 という手紙と共に、映画のチラシとチケットが同封されていました。
 彼女とはもう十数年は会っていない(年賀状のやり取りのみ)のですが、同じような血が流れているひとりとは思ってきていました。要するに、観ろ、ということですね。
 映画のプロデューサーは、一年に一度、某所の忘年会で挨拶を交わす関係でもありますし、鎌仲監督の前作『ヒバクシャ-世界の終わりに』の共同プロデューサーは友人のひとりでもあります。というわけで、これは観ないわけには行かない、と早速、仕事が休みであった本日、東中野まで出かけてきました。

 まぁ、作品については、自分に責任を持ってこの国で生きていこうとするなら観ておけ、という言い方が出来るでしょうね(内容的に)。と言っても、そんな肩肘張ったものではなく、青森の風景とそこにふりかかる日本国の原子力政策、そしてそれに同意せずにそこに生きる人々の姿が、丁寧に撮られた作品です。ちょっと登場する猫がいいです(猫好き向け情報)。
 今日は映画評というより、タイトルどおり、「現代史のトラウマ番外編」として、私の中に喚起されたいくつかのことども、を書いておきます。

 六ヶ所村、成田三里塚、上九一色村、共通するのは、戦後の引揚者の開拓地としての成立事情ですね。そこに前二者では日本の国家が、後者では日本国家のパロディそのもののオウム教団が、土地を奪い、生活の基盤を奪い、安全な生活を脅かす、というふるまいを繰り広げているわけです。戦前・戦中の国策協力(植民地化の尖兵であったということではあるわけですが)の末に、敗戦と共に引揚者として全てを失った上で帰国し、再び故国の原野を開拓し、やっと生活基盤を確立できたと思った矢先に、再び国家政策により築き上げた全てを否定される。自ら築き上げた世界は重いものです。金銭と交換されてヨシというものではありません(そこのところの想像力が麻痺してしまうと精神的に荒廃します ― 現在の「教育基本法改正」論議にはそのような視点は全くありません)。しかし、戦後日本とは、そのような世界であり、人々の築き上げた風景の破壊者達が「美しい国」などというフレーズを恥ずかしげもなく口に出来るのが、現在のこの国の現実です。

 また、原子力政策の推進という行為には、長期的視野の欠落とマイナス情報の隠蔽がそこでは常にエンドレステープのようにまわり続けているという意味で、この国の姿の縮図を見ることが出来ます。長期的には破綻する政策でありながら、それが常に近視眼的に、リスクからは目をそらしメリットのみを強調することにより推進されていく姿がそこにあります。かつての、大東亜戦争の開戦の決定から敗戦にいたる歴史が、ここでは再び繰り返されているように見えます。米国のイラク戦争開戦決定過程においても情報操作が行われ、マイナス情報は切り捨てられました。その挙句の現在のイラクの状況です。そしてどこにも責任を負う者がいないという事態。

                    続く

 

 

 

(オリジナルは、投稿日時:2006/10/11 16:12 → http://www.freeml.com/ep.umzx/grid/Blog/node/BlogEntryFront/blog_id/2800/user_id/316274

 

 

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